抵抗器を扱うときにその抵抗値の読み方を解説します。プリント基板に実装する抵抗には、リード線のあるアキシャル抵抗、ラジアル抵抗、表面実装用のチップ抵抗などがあります。一般的によく目にするのは上の画像のように横からリード線の出ているアキシャル抵抗や直方体側面が端子になっているチップ抵抗だと思います。アキシャル抵抗もラジアル抵抗もリード線抵抗ですがリード線抵抗といえばアキシャル抵抗の方を思い浮かべられる人も多いかと思いますのでこの記事内では以降アキシャル抵抗をリード線抵抗と記していきます。ここでは、このリード線抵抗とチップ抵抗の抵抗値の読み方について解説していきます。 リード線抵抗の抵抗値の読み方 リード線抵抗の抵抗値は抵抗のボディにカラーコードを使って表示しています。よく目にするのがカラーコードの輪っかが4つのものと5つのものです。カラーコードとは0から9までの数字を色に割り当てたもので下表になります。(許容差に関しては代表的なものをあげています。)色対応する数字許容差覚え方の一例茶色1±1%小林(一)茶 -> 小林(1)茶赤色2±2%赤い(に)んじん – > 赤い(2)んじん橙色3 第3の男 -> (橙)3の男黄色4 四(季)の歌 -> 4(黄)の歌緑色5 五月緑 -> (5)月緑青色6 青(む)し -> 青(6)し紫色7 紫しき部 -> 紫(しち)部 -> 紫(7)部灰色8 ハイ(ヤー) -> ハイ(8)※タクシーとハイヤーには違いがあるそうです。白色9 ホワイト(ク)リスマス -> ホワイト(9)リスマス黒色0 黒い(礼)服 -> 黒い(0)服金色―±5% 銀色―10% 色が無いもの―±20% リード線抵抗でよく使われるものでは輪っかが4つのものと5つのものが主流だと思います。輪っかが4つのものは下図のようなものです。ここでは一例として5.6kΩ±5%の抵抗を示します。 輪っかが4つのものは、第1から第3数字までが抵抗の定数を表し4つ目の輪っかが抵抗値の許容差を表します。抵抗の定数の求め方は、第1、第2数字の数字に第3数字で示す数字を10のべき乗として掛けたものになります。この例の場合第1数字:緑色なので5第2数字:青色なので6第3数字:赤色なので2であり10^2=100これにより56 × 100 = 5600 = 5.6kとなります。抵抗値の許容差は、金色ですので±5%を示します。よってこの抵抗の抵抗値は、5.6kΩ±5%となります。第3数字に関しては、10のべき乗と考えるよりも第1、第2数字である56の後ろにゼロが何個付くのか?この場合は赤色なのでゼロが2個つくので56にゼロ2個で5600 = 5.6kと考えた方がわかりやすいかもしれません。 次に輪っかが5つのものの解説になります。輪っかが5つのものは下図のようなものです。ここも一例として輪っかが4つのものと同様に5.6kΩで許容差が±1%の抵抗を示します。 輪っかが5つのものは、第1から第4数字までが抵抗の定数を表し5つ目の輪っかが抵抗値の許容差を表します。抵抗の定数の求め方は、第1、第2数字、第3数字の数字に第4数字で示す数字を10のべき乗として掛けたものになります。この例の場合第1数字:緑色なので5第2数字:青色なので6第3数字:黒色なので0第4数字:茶色なので1であり10^1=10これにより560 × 10 = 5600 = 5.6kとなります。抵抗値の許容差は、茶色ですので±1%を示します。よってこの抵抗の抵抗値は、5.6kΩ±1%となります。第4数字に関しては、10のべき乗と考えるよりも第1、第2、第3数字である560の後ろにゼロが何個付くのか?この場合は茶色なのでゼロが1個つくので560にゼロ1個で5600 = 5.6kと考えた方がわかりやすいかもしれません。ちなみに抵抗値の許容差の輪っかが茶色や赤色の場合、実際左右のどっちから読んだらいいかわからない感じもします。 チップ抵抗の抵抗値の読み方 チップ抵抗の抵抗値の読み方は、チップ抵抗の上面に印字されている3桁もしくは4桁の数字で読み取ることが可能です。最近は、04mm x 0.2mmサイズのチップやそれよりも小さいチップがありそのようなチップは抵抗値を印字していないものもあります。3桁の数字が印字されているチップ抵抗の例として47kΩの図を示します。 印字は、473となっています。この3桁が全て数字の場合、最後の数字が10のべき乗を表します。つまり473 = 47 × 10^3 = 47000 = 47kΩとなります。10のべき乗のところはゼロが何個付くのか?と考えた方がわかりやすいかもしれません。47に0が3つ付く = 47000 = 47kΩ次に3桁の字の中にRがつくものがあります。Rは小数点の意味になります。ここでは4.7Ωを例にあげています。 4R7の読み方は単純に4 と (Rは小数点なので)ドット と 7 = 4.7Ωとなります。 次に4桁の数字が印字されているチップ抵抗の例として47kΩの図を示します。 印字は、4702となっています。この4桁が全て数字の場合、最後の数字が10のべき乗を表します。つまり4702 = 470 × 10^2 = 47000 = 47kΩとなります。10のべき乗のところはゼロが何個付くのか?と考えた方がわかりやすいかもしれません。470に0が2つ付く = 47000 = 47kΩ次に4桁の字の中にRがつくものがあります。Rは小数点の意味になります。ここでは4.7Ωを例にあげています。 4R70の読み方は単純に4 と (Rは小数点なので)ドット と 7 と 0 = 4.70 = 4.7Ωとなります。 最後に0Ω抵抗は、様々な印字になっていますが何桁でも全て0表記のものは0Ωのチップ抵抗です。また、0Ωだけ表面が黒でなく緑にしているメーカもありますが基本的には判断しやすい抵抗値の表記です。