電気回路、電子回路で使われる単位でよくでてくるものに関して簡単に解説します。 一番よくでてくるのは、V、A、Ωですね。その他、Hz、dBがでてくるかと思います。 (本ページで説明する単位に関しては、また追記をしていく予定です。) ■ V (ボルト) Vは電圧を示す単位です。Vは、Volt(ボルト)のVです。 1mV(ミリボルト) = 0.001V 1μV(マイクロボルト) = 0.001mV = 0.000001V 1kV(キロボルト) = 1000V になります。 電圧の種類としては、直流電圧を示すDC、交流電圧を示すACがあります。 DCは、Direct CurrentのDCでデーシーと読みます。 ACは、Alternating CurrentのACでエーシーと読みます。 DCとACの示す電圧の違いは、DCは時間で変化しない一定の値でそのままの意味です。 ACは周期を持って変化する電圧を意味します。 ここでACをつけたときの値に関してですが、例えばAC100Vという表記は電圧の最大値が100Vという意味ではないことに注意が必要です。 AC100Vの100Vは、最大電圧の$\frac{1}{\sqrt{2}}$の値を示しています。 これは、実効値を示すもので ある抵抗に対してDC100Vを加えたときの電力と同じ電力になる交流を示します。なのでこのAC100Vの最大電圧は、上図の如く141.421Vとなる一定周期の電圧になります。 ■A(アンペア) Aは電流を示す単位です。Aは、Anpere(アンペア)のAです。 1mA(ミリアンペア) = 0.001A 1μA(マイクロアンペア) = 0.001mA = 0.000001A 1nA(ナノアンペア) = 0.001μA = 0.000001mA = 0.000000001A になります。 A(アンペア)は、正確な定義は難しいのでここでは記載しませんが1秒間に流れる(定義されている値の)電荷の量を方向を符号で表して定義しているものでその符号は電荷が動く方向とは逆になっています。 ■Ω(オーム) Ωは抵抗を示す単位です。Ωはギリシャ文字のΩ(オメガ)をオームと読んで単位として使っています。 1mΩ(ミリオーム) = 0.001Ω 1kΩ(キロオーム) = 1000Ω 1MΩ(メガオーム) = 1000kΩ = 1000000Ω 1GΩ(ギガオーム) = 1000MΩ = 1000000kΩ = 1000000000Ω になります。 1Ωは1Vの電位差を与えた導体に流れる電流が1Aであったときにその電位抵抗値を1Ωと定義したものです。なので 1Ω = 1V / 1A になります。 ■Hz(ヘルツ) Hzは周波数を示す単位です。Hzは、Hertz(ヘルツ)の最初と最後の文字を使っています。 1kHz(キロヘルツ) = 1000Hz 1MHz(メガヘルツ) = 1000kHz = 1000000Hz 1GHz(ギガヘルツ) = 1000MHz = 1000000kHZ = 1000000000Hz になります。 1Hzは、ある振幅を繰り返している現象や物体が1秒で1周期(1サイクル)になっていることを示します。なので $$周波数(Hz) =\frac{1}{1周期の時間(秒)}$$ で表すことができます。 上のグラフは、1秒で1サイクルになっているので1Hzの周波数になります。 ちなみに家庭用AC100Vは交流ですから当然周波数があります。 本ページを書いている時点(2020.11)では、地域(正確には電力会社)により周波数に違いがあり基本的には 東日本:50Hz 西日本:60Hz とされています。 ■dB(デシベル) dBは電力利得(電力比)や電圧利得(電圧比)を示す単位です。dBは、decibel(デシベル)のdとbからdBとして単位記号としています。音の強さを表す単位としても使われていますがここででは電力利得、電圧利得に関して説明します。 利得はゲイン(Gain)ともいいますので電子回路関係に従事されてる方はよく”この回路のゲインは、xxxデービーになります”や”このアンプのゲインはxxxデシあります”などの会話を耳にされることもあるかと思いますがこの利得のことでdBを”デービー”や”デシベル”の”デシ”と読んだりされているところもあるかと思いいます。 電力利得はある回路に対して入力された電力と出力された電力の比になります。なので電力比ともいいます。デシベルを使った場合は常用対数を使って換算します。 電圧利得はある回路に対して入力された電圧と出力された電圧の比になります。なので電圧比ともいいます。こちらもデシベルを使った場合は常用対数を使って換算します。 換算式は $$電力利得[dB]=10\log_{10}{\frac{出力された電力}{入力された電力}}$$ $$電圧利得[dB]=10\log_{10}{\frac{\cfrac{出力された電圧^2}{回路の抵抗}}{\cfrac{入力された電圧^2}{回路の抵抗}}}=20\log_{10}{\frac{出力された電圧}{入力された電圧}}$$ となります。 また、dBにいろいろな添字が付いている場合があります。以下がその代表例と概略になります。 単位 読み方 説明 dBm デービーエム 電力利得に用います。入力1mWとしたときの出力の利得。 1mWの出力であったきときゲインは、0dBmになる。 dBu、dBμ デービーマイクロ 電圧利得に用います。入力$775V_{rms}$としたときの出力の利得。 $775V_{rms}$の出力であったときのゲインは、0dBuになる。 dBv デービーブイ dBuと同じです。 dBi デービーアイ アンテナの利得に用います。 (全方位に均等に放射する理想的なアンテナ)アイソトロピックアンテナを基準(0dB) としたときの出力の利得。